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| システムトレードに関する考察 その1 |
株系の入門の本を開いてみると、必ずと言っていいほど移動平均線を使った売買シグナルを用いたシミュレーションを行っています。
このように自動的に売買シグナルを発生させてトレードを行うシステムトレードは本当に有益なのか、都合のいいデータばっかりを持ち出してきているのではないのかという疑問を持っています。
そこでExecelのマクロを使って、簡単なシミュレーションを行ってみましたので、結果を紹介します。
前提条件は以下のとおりでです
対象銘柄
ユニチカ
検証期間
2001/01/04〜2004/01/28

売買方法
サラリーマンという職業上、場中の意思決定及び売買は難しい。
そこで、後場の大引け後(夜)に計算によりシグナルを発生させ、売買シグナルが出た場合、翌日の寄り付き前に成行きで注文を出すというルールで売買します。
具体的な売買方法は、次のようになっています。
売りシグナルが出た場合、現物のポジションをてじまうと共に、空売りを実行する。
買いシグナルが出た場合は、信用のポジションをてじまうと共に、現物買いを実行する。
その他の条件として、次の2点を加えます。
計算には手数料を考えない。
結果は1000株売買したときのものを示す。
方法1:短期と長期の移動平均線を用いて売買した場合
まずは、どの本にでも紹介されている短期と長期の移動平均線を用いた売買シグナル生成ロジックを試してみました。
つまり、
短期の移動平均線が長期の移動平均線を下から上に抜いた場合、買い
短期の移動平均線が長期の移動平均線を上から下に抜いた場合、売り
というルールです。
パラメータの組み合わせとして以下の場合を考えました。
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用いる株価 |
日数 |
| 短期の移動平均線 |
始値、高値、安値、終値のどれか1つ |
1〜24の範囲内のどれか1つ |
| 長期の移動平均線 |
始値、高値、安値、終値のどれか1つ |
2〜25の範囲内のどれか1つ |
例えば、1つの組み合わせとして、
短期の移動平均線には高値を用いた2日移動平均線
長期の移動平均線には、終値を用いた10日移動平均線
があります。
上記の表から得られるあらゆる組み合わせについてシミュレーションを行いました。
その結果、下の図のようにパラーメータと利益の分布が得られました。
横軸が期間内に得られた利益(単位:千円)で、縦軸がその範囲の利益を得ることができるパラメータの個数です。
例えば、0〜20千円の利益を得ることのできるパラメータの組み合わせの個数は1046個あるということです。
図より、パラメータの組み合わせは-50〜40の付近に集中しており、殆どの組み合わせにおいてあまり利益が得られていないのが分かります。
この結果から、適当に選んだ移動平均線では、効果的なパフォーマンスが得られないことが分かりました。
つまり、各銘柄に合わせた日数平均線を用いる必要があると言えます。
一般的だからといって、25日線を用いたのでは不適切だということです。

今回のシミュレーションにおいて、最も成績よかったパラメータの組み合わせを表に示します。
そのときの成績は145千円でした。
また、利益の推移をグラフに示しました。
横軸が時間で、縦軸が利益(単位:千円)です。
右肩上がりに順調に伸ばしています。
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用いる株価 |
日数 |
| 短期の移動平均線 |
始値 |
2 |
| 長期の移動平均線 |
始値 |
6 |
ここでのロジックはかなり有名なロジックでありますが、最も成績のよいパラメータを用いた場合でも、期待していたほどの利益は得ることはできませんでした。
ちょっと残念な結果となってしまいました。
方法2:移動平均線の傾きを用いて売買した場合
オリジナルのロジックとして、移動平均線の傾きの変化を用いたシグナルを考えてみました。
このロジックは移動平均線の傾きが上向きから下向きに変化する点を売りシグナル、逆のパターンを買いシグナルとしています。
ちょっと難しい話になりますが、数学的には、移動平均線の2次微分の値がプラスからマイナスへ変化した場合売りシグナル、逆の場合を買いシグナルとなります。
具体的なロジックとしては、前日と当日の移動平均株価の差を1次微分、前日の1次微分値と当日の1次値の差を2次微分値としました。
(かなり大雑把な微分ですが許してください。まじめに移動平均線を何かの式を使って補完して微分値を出した方がよいかもしれません。余力があれば検討してみます。)
この方法において、パラメータは以下の組み合わせを用いました
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用いる株価 |
日数 |
| 移動平均線 |
始値、高値、安値、終値のどれか1つ |
1〜10の範囲内ののどれか1つ |
これらのすべての組み合わせについてシミュレーションを行いました。
同様に、利益(単位:千円 縦軸)とパラメータの分布を示します。
得られる最大利益は向上しましたが、分布が方法1と比べてマイナス方向にシフトしてしまいました。
つまり、よりハイリスクハイリターンな方法だと言えます。
方法1よりも変化に対して敏感に反応するため、だましのシグナルが増えたということだと思います

次に、成績のよかったパラメータはこのようになっています。
また、このパラメータでの利益の変化は下の図の緑の線のようになりました。縦軸が利益(単位:千円)で横軸が時間です。
比較のため、方法1での最適パラメータでの変化を青線で示しておきました。
方法2の方がより敏感に株価に対してより敏感に反応するため、大きな変化なく、より順調に利益を上げています。
まとめ
簡単なシミュレーションでシステムトレードの有効性を確かめてみましたが、パラメータさえ最適なものを選ぶことができれば有効であるといえます。
しかし、パラメータは過去のデータをもとにすることでしか決定できないため、パラメータが未来の株価に対して有効であるとはいえません。
ただし、最適なパラメータを用いて利益の変化を上の図で示しましたが、一貫して右肩上がりに利益が増加しいることから、最適なパラメータを選ぶことさえできれば、当分そのパラメータの有効性は持続すると考えられます。
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